- 第三十三回
かき氷。
はい、お久しぶりの「水コラム」。
梅雨もそろそろ終わり・・?
それはともかく、日本近海に13年ぶりの巨大台風3つ出現で、かなり被害が出たところもあるとか。
ここ高知県でも、天気がいまいち安定しない日が続いております。
晴れたかと思えば、いきなりの大粒の雨。
ちょっと振ってすぐやんで、また降り出したかと思えば、天気予報を裏切るような晴天になったり・・。
で、夏もそろそろ本格的に暑くなってまいりました。
テン子さんも、毛布から、ブランケットにかえて、扇風機を回しております。
おそらく、冷房に変わるのも時間の問題かと・・。
みなさまも、気候の変化が激しい時期ですので、体調にはくれぐれもお気をつけください。
まぁ、ということで、本格的な夏が近い今、これをやっておこうかと思いまして。
はい!!
テーマ、「かき氷」でございます。
「待ってました!」の方いらっしゃるんじゃないですかね〜。
「かき氷」。
夏の風物詩。
夏の季語にもなっていて、俳句では「氷水」としてよく使われたりする・・。
そして、なんといっても、お祭り縁日には主役級の存在を誇る・・。
また、気温が30度近くなるとかき氷の売れ行きが格段に良くなるというデータまであるそうです。
では、みなさん。
「かき氷」っていつ頃に、登場したか知ってますか?
かなり、ずっと昔から日本人に親しまれているようですよ。
残っている記録で古いものは、平安時代・・。
清少納言の「枕草子」。
その中に「あてなるもの(上品なもの)」の段に、かき氷のようなものが登場します。
その頃のかき氷は、削った氷に、「あまかづら」という蔦の樹液をかけたものをかけ食べたそうです。
みなさん、樹液ってどんなものか見たことありますか?
ワタクシ、ありますよ。
木の幹からね、たらーっと、はちみつのようなどろっとした液が出るのですよ。
メープルがまさにそうですね。
夏には、木によくカブトムシやクワガタ、いろんな虫たちが木にへばりついてるでしょ。
虫たちもその甘い液を目当てにやってくるみたいですよ。
平安時代の人たちも、その甘い液を氷にかけて食べていたんですねぇ。
その頃の「かき氷」というのは、とても高級品で上流階級の人たちしか口にすることが出来なかったのです。
それは、将軍家の献上品という形で江戸時代まで、高級甘味として受け継がれていたようです。
というのも、当時は、いまみたいに冷凍庫なんてものはなく、氷を運ぶのにも5日ほどかけて、何人もの人たちによって、運ばれたのだそうです。
それから、一気に時代は下り、明治時代です。
「かき氷」が初めて売られるようになったのが、1869年(明治2年)。
神奈川県の横浜のある馬車道ではじめて氷水店として開店されたそうです。
そして、19世紀の終わりごろ。
氷削機が発明されます。
しかし、一般に氷削機が広がったのは昭和の時代だそうです。
いまじゃ、夏になると夏の代名詞ともいえるものですが、実は昔はかなりの高級品だったんですねぇ。
今は100円そこそこで買える。
冷凍庫に感謝しなきゃいけませんね。
ところで、みなさん。
「かき氷」ってシロップのかけ方、東と西で違うの知ってました?
テン子さんの住む、ここ高知県では、削った氷の上からシロップをかけていくのですが、どうやら、東の方に行くと、シロップのうえから氷をかけていくそうです。
シロップが氷にしたからしみ込むのをじっと待つ・・。
というのが江戸っ子の「粋」な食べ方・・。
そういう説があるようです。
なるほどなあ・・。
これも一つの風流な食べ方だなぁ・・なんて思いました。
ゆっくり時間を楽しむ・・。
この現代社会では、いつも急ぎ足で、みんなせかせかしている。
「かき氷」で、一息つくのもわれわれ現代人には必要なことかもしれませんな・・。
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